Bob Dylan  ボブ・ディラン'60年代初期フォークの神様・フォークロックの元祖・現在進行形のベテランロッカー

Bob Dylan  ボブ・ディラン


「耳で英語を勉強できる無料e-mail学習ツール」ハングリーフォーワーズジャパン

プロフィール

本名:Robert Allen Zimmerman
1941年5月24日、Minnesota州Duluth生まれ

Bob Dylan  ボブ・ディラン1962年にデビューアルバムを発表し、世紀を超えて今年まで新譜を発表しては、コンサートツアーもなお続ける、キャリアではElvis Presleyやイギリスのthe Beatlesをはるかにしのぐシンガーソングライター。2001年に発売された"Love And Theft"は日本発売のアルバムではライブ、編集盤も含めると50枚目のアルバムとなります。

高校時代からロックスターを夢見ていた彼は大学時代に地元のコーヒーハウスなどで歌うようになり、'60年には尊敬するWoody Guthrieを訪ねNew Yorkへ移り、病床にいたWoodyの前で、彼のリクエストするWoody自身の曲を演奏し続けたそうです。後に振り返り「僕はまるでWoodyのジュークボックスであった」と言っています。

Freewheeling Bob Dylan フリーホイーリン ボブ・ディランその後ニューヨークに残り、Greenwich Villageでギターの弾き語りで歌いながら生活しました。当時はPete Seegerが出版に関わっていたBroadsideという、時事的なテーマを持った歌の楽譜を好んで紹介していた雑誌があり、彼の歌はそこに紹介され始めます。そのうちに彼の歌は聴衆の心を捕らえ、アルバムを発表することになります。殆どトラディッショナル曲を自分流に歌ったデビュー盤は5000枚程しか売れませんが、翌年発売の"Freewheelin' Bob Dylan"が高い評価を受けました。それは、彼が反戦メッセージを込めた、"Blowin' In the Wind"<風に吹かれて>"The Masters of War"<戦争の親玉>などのプロテストソングの傑作を収録したからでした。

"Blowing in the Wind"は当時の公民権運動でもテーマソングのようになり、Peter Paul & Mary、Kingston Trio、Joan Baezなどフォークリバイバルムーブメントで人気が高かったバンドや歌手によりカバーされ広く歌われました。PPM盤は全米トップテンヒットになりました。'63年のニューポート・フォーク・フェスティバルでは彼のこの歌がひとつのハイライトになりました。70年代に入るとStevie Wonderもこの曲をソウルフルに感動的に歌い上げシングルヒットを記録しています。

この歌をきっかけに彼は「フォークの神様」と呼ばれ、フォークリバイバルムーブメントの主役の座に就きます。また、「トピカルソングの旗手」としても認められます。Topical Songとは、社会問題をテーマにした歌の総称で、プロテストソング(protest song)とほぼ同義です。"この時にはすでにPhil OchsTom Paxtonらと共に「ガスリーの息子たち」と呼ばれるようになっています。

The Times They Are A-Changing/ Bob Dylan ボブ・ディラン 時代は変わる64年には3枚目のアルバム"The Times They Are A-Changing"<時代は変わる>を発表しますが、ここでも多くのトピカルソングを発表しました。この時にはイギリスへもツアーへ出かけ、アルバムのタイトル曲はイギリスのヒットチャート9位まで上がっています。

この時にアメリカ進出直前のthe Beatlesと交流を深め、彼はJohn Lennonに作詞の面で多大な影響を与えたと言われます。BobBeatlesから、エレキギターのバンドスタイルの力強さに衝撃を受けました。これが彼の音楽スタイルを激変させることになります。

次のアルバムではギターの弾き語りスタイルは続けながらも歌い方はよりロック風に、次のアルバムではバックバンドを従えて完全なロックへ方向転換をします。

'65年のニューポート・フォーク・フェスティバルではバックバンドを従えて登場し、"Like A Rolling Stone"などを歌ったところ、ギターの弾き語りこそフォークであり、それを捨ててバンドで演奏するのは裏切りだと見なしたファンたちのブーイング攻めにあいました。しかし、それとは関係なくシングルカットされたこの曲は、彼自身が発表したシングルの中では最高のセールスを記録し、ビルボードでチャート2位まで上がる大ヒットになりました。一部の偏狭なフォークファンよりも広大な範囲の人々から支持を受けることになったのです。

元々ロックスターになるのが夢であったので、彼が路線を変更したのは当然なことでした。逆に、ただデビュー当時のトレンドであったという理由でギターの弾き語りスタイルを始めたようなものでした。また、「トピカル・シンガー」という枠に自分を閉じ込めておこうとするファンたちには辟易していたそうで、その後はトピカルソングをほとんど作らなくなります。

この変化は当時の音楽シーンに大きな影響を与え、フォークの曲をロックにアレンジしたような曲が流行り始め、the Byrds, Simon & Garfunkel などがヒットを放つようになります。これをフォークロックと呼びました。

1972年にはGeorge Harrisonが主催したバングラデッシュ難民救済コンサートのメインアクトとして登場し、"Blowin' in the Wind"を始めとして数曲を弾き語りで歌いました。

例外的なトピカルソングとして2曲をあげることが出来ます。両方とも黒人問題がらみの歌で、"George Jackson""Hurricane"があります。"George Jackson"John Lennon"Angela"という曲で歌った問題を告発する歌ですが、最近のブートレッグシリーズで初めてCD収録されましたが、私はまだ聞いていません。"Hurricane"の方は、1999年、Denzel Washington主演で映画化された黒人ボクサーの無実の罪との戦いを描いた映画 "The Hurricane" のサントラでも起用され話題を呼んだのが記憶に新しいところです。映画中に彼の演奏場面もちらっと登場します。

彼は今も精力的にアルバムを発売し、コンサートツアーを続けていますが、彼の大きな特徴のひとつは、ひとつの曲が演奏するたびにアレンジが変わり、メロディーも変わり、まるで違う歌のように歌ってしまうところです。時期によって同じ歌の別バージョンが海賊版を含むライブアルバムでたくさん出回っています。

George Harrison, Tom Petty, Roy Orbisonなどと共に80年代末ごろTraveling Wilburiesとしても活躍し、"Nobody's Child"という傑作シングルを発表しました。これは小さい時に親に捨てられてしまう子供たちのことを歌った優れたトピカルソングです。

最近のヒットとしては97年ごろにBilly Joelがカバーした、"To Make You Feel My Love"がありました。最近の彼の声はしゃがれにしゃがれ、私に言わせれば正直聞くに堪えません。あの素晴らしい全盛期の声を新たに聞くことが出来ないのは非常に残念です。

Love and Theft / Bob Dylan ボブ・ディラン ラブ アンド セフト95年、97年にグラミー賞を受賞し、2001年も最新アルバム、"Love And Theft"がノミネートされています。そして、今も変わらずライブを精力的にこなし、去年の同時多発テロ以降は、初期の代表的反戦歌、"Blowin' In The Wind"<風に吹かれて>, "Masters of War"<戦争の親玉>を必ず取り上げて歌いながら意思表明をしました。

Bob Dylanの曲は、Greatest HitsがVol.3まで出ているにもかかわらず、全米大ヒットとなった"Like A Rolling Stone"など数曲以外は他の歌手によって多数取り上げられ流行ったのです。引き語りの初期はPeter Paul & MaryJoan Baezが彼の歌を積極的に取り上げましたし、あのPete Seegerが彼を絶大に評価していました。

フォークロック時代はthe Byrdsが積極的に取り上げ、"Mr. Tamburine Man"は彼らの大ヒット曲になっています。

ヒットチャートとは関係ありませんが、Joan Baez, Judy Collins, the HolliesなどがBobの曲だけを歌ったアルバムを発表し、the Byrdsも既発表の彼の曲だけを集めたコンピレーションを発表しています。

彼の詩は言葉遊び的な要素があり、歌詞の解釈についてファンの間で色々と議論されました。Bob Dylan研究家と名乗る人たちも現れ、日本では Dylanologist と呼ばれました。

Bob Dylan & Me

Bob Dylanはやはり"Blowin' In The Wind"<風に吹かれて>からでした。高校時代に英会話クラブに所属して活動していましたが、顧問の先生のカセットを適当に借りて聞いたところ、それはJoan Baezという、60年代はじめに「フォークの女王」と呼ばれていた歌手のベスト盤だったようでした。彼女が一曲日本語を交えて歌っていた曲がありました。それが"Blowin' In The Wind"<風に吹かれて>だったのです。

そこから何かのいきさつでこれがBob Dylanの曲だと分かるようになり、同じく「政治的な歌」と「60年代フォークリバイバルムーブメント」に非常に興味を持つようになりました。初めて「時代は変わる」のミュージックテープを中古レコード屋で見つけて聞いた時にはとても感動しました。声は渋いし、歌っている内容もとても政治的でした。このアルバムは特にプロテストソングが多く収録されたアルバムだったのです。

ということで、トピカルソングが好きな私は絶対的に初期のギター引き語りのDylanがとても好きなのです。

彼の代表的な反戦プロテストソングの歌詞をホームページ上に掲載しています。稚拙ながら訳詩も試みましたので、興味がある方は、ぜひご覧になってください。

世界中で親しまれている"Blowin' In The Wind"<風に吹かれて>
僕が最高傑作だと思っている二曲 "Masters of War<戦争の親玉>", "With God On Our Side<神が味方>"

所有CDアルバム

Time Out of My Mind
Freewheelin' Bob Dylan
The Times They Are A-Changing
Another Side of Bob Dylan
Desire<欲望>
Bob Dylan's Greatest Hits Volume 3
The Bootleg Series 1961-1991 Volume 1
Live 1966

非正規盤
Live In New Port
Live In New York 1964
Bye Bye Johnny (With Tom Petty)
Best Selection
Blowin' In The Wind

トリビュート盤
Songbook
Hollies Sing Dylan (Sung by the Hollies)
Any Day Now, Bob Dylan's Songs (Sung by Joan Baez)

My Favorite Songs

トピカルソングの傑作
Masters of War
Blowin' In The Wind
The Times They Are A-Changing
A Hard Rain's Gonna Fall
Who Killed Davy Moore
Talking John Birch Paranoid Blues
Hurricane

その他
It Ain't Me Babe
Like A Rolling Stone
Subterranean Homesick Blues
To Make You Feel My Love
All I Really Wanna Do
Positively 4th Street
I Want You

カバーバージョン
Pretty Boy Floyd (Written by Woody Guthrie)



My Favorite Singersへ

TOPへ