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キム・ハノ詩集 15 在日の詩
「生」
語彙解説

突然嵐吹き
は死に
義弟も死んだ
右羽をもがれ
左羽をもがれ
瀕死の駒鳥は
もがき苦しみ
悩み悲しみ
赤い頬もやせ細り
飛び慣れた空を眺めた
朝大を美しい絵で飾った弟
ピパダ歌劇団を演出した義弟
二人の姿去りやらず
食欲は減り
涙も涸れた

哀れ駒鳥は
ついに意識不明となり死の谷底を徘徊した
しかし慈悲深い天は
優しく小鳥を抱きしめて
右羽を返してくれ
左羽を返してくれた
春の匂いに目覚ませば
虹色の園、この世には
飛び交う蝶も咲く花も
仲間の歌も愛に満ち
高い高い空の青
何処までも何処までも飛びながら
「生きていて良かった、生きていて良かった」
妙な笛の音吹きながら
生とは何か?生の喜び、生の幸せ
小鳥は初めて知ったのだ

ああ長かりし冬の旅路
去り行け木枯らしよ
待ち焦がれしわが春に
燦燦と降れ陽光よ
ああ生あれば死が待つと
いえども冥府の閻魔どの
しばしその眼瞑(つむ)らせたまえ

V。友情 より



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朝大(조대) 朝鮮大学校の略。[チーョデ]と読む。
在日朝鮮人を代表する画家として、また、朝鮮大学校師範教育学部美術科の教授として長年民族教育に貢献し、多くの優秀な民族画家を排出した実の弟、金漢文[キム・ハンムン]先生。在日社会の美術界では教祖的な存在。 若くして亡くなった。
義弟 妻の兄で、幼いときに朝鮮へ帰国し、朝鮮を代表する芸術団のひとつ、「血の海」[ピパダ]歌劇団の演出家として長年朝鮮の芸術に貢献した。