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キム・ハノ詩集 2 在日の詩
「ウォンサン米」
縄文時代の終わり
狩猟生活たけなわの
旧石器時代より
新石器時代へ移る頃
日本民族の農耕は
九州から始まったらしい
朝鮮は農耕民族
米を日本に伝播した
日本が米を常食し
米を改良し始めた
こしひかり ささにしき こまちむすめ ひとめぼれ
きららとか まあ沢山ある

アメリカ米は合わぬ味
ヨーロッパ米も駄目な味
米がポロポロ溶け合わぬ
アメリカは日本種を導入し
アメリカ製のこしひかり ささにしき
きらら ひとめぼれ……
ついにすしまで流行らせた

ウォンサン・ホテルで食事する
江原道のウォンサン米
日本の改良種に比べ
自然の味が圧倒する
小粒で素朴な白さだが
淡くなめらかな溶け具合
スピード消化 食欲アップ
一片の詩を奉仕員に渡す

米とのつき合い六十五年
幼いころ毎日米屋へお使いした
十一人家族というのに
一合、二合、やっと三合
米屋での最高値は
驚くなかれ朝鮮米
植民地米が高座する
日本米がずっと安い
それで日本米買ってきた
朝鮮人が朝鮮米
なぜ食えないか疑った

三十六年植民地
日本が降伏するまでに
二百万石朝鮮米
毎年日本へ持ち込んだ
千百万石以上のことも
その日本の最高食
金脈当てた味の良さ
朝夕ひもじくなるたびに
ウォンサン米を食べたいと
思いながら飯を食う

(I 生活)

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語彙解説
ウォンサン(元山): 朝鮮を代表する、太平洋側の港湾都市。
日本や外国からの船舶が多数立ち寄る。在日同胞の祖国
訪問の玄関口のひとつ。

江原道[kangwondo/カンウォンド]:朝鮮の南北にまたがる行政区域。
「道」は日本の「県」に当たる。

奉仕員[pongsawon/ポンサウォンー朝鮮語発音]:一般的に人民に奉
仕する人全般をこう呼ぶが、ここでは食堂の給仕のこと。
おそらくウェイトレスであると思われる。