BeatlesのアルバムではGeorgeのリードボーカル曲が必ず1、2曲収録されましたが、中期までは他のミュージシャンのカバー(もともとJohnのレパートリーの曲)か、Lennon-McCartneyの曲で他の歌手にあげたような曲などを主に歌いました。オリジナル作品も2枚目 With the Beatles で"Don't Bother Me", そして5枚目Help!で"I Need You"、"You Like Me Too Much"を発表しています。
六枚目Rubber Soulの頃にはインドの楽器シタールを導入し、彼自身の曲、"If I Needed Someone"と"Think for Yourself"を発表し、七枚目Revolverでは"Taxman"が彼の曲では初めてアルバムの一曲目を飾っただけではなく、"Love You Too", "I Want to Tell You"と計3曲も自作曲を発表するなど才能開花の時を迎えます。
が、その後2枚組のホワイトアルバムで4曲しか枠をもらえず、Georgeは不満であったといいます。この前の歴史的アルバム、Sergeant Pepper's Lonely Hearts Club Bandでもバリバリのインド音楽風な曲の "Within You Without You"の一曲しか収録されていません。
Beatles最後のアルバム、Abbey Roadでは"Something"と"Here Comes The Sun"という名曲を生み出し、前者はBeatlesの彼の曲としてJohnの"Come Together"を押さえて初のシングルA面となりました。
Beatles解散後のGeorge
Beatles解散後逸早くソロアルバムをリリースします。タイトルがAll Things Must Pass(全てのものは過ぎ去る)というタイトルの3枚組です。Beatles時代に作り貯めておいて日の目を見なかった曲を吐き出すように発表したのだと思います。シングルカットされた"My Sweet Lord"はアメリカのビルボード誌で見事チャート一位を飾り、ソロ・アーチストとしての輝かしい第一歩を歩み出したのでした。
彼の70年代のキャリアで特筆すべきことは1972年にバングラデッシュの飢餓救済のために大掛かりなチャリティー・コンサートを開いたことでしょう。ここにはBob DylanやLeon Russel,Eric Clapton, Billy Preston, そして元同僚のRingo Starrという豪華な顔ぶれが揃いました。シングル"Bangladesh"、ライブアルバム、ビデオと発売され、金銭的なトラブルがありましたが、大成功に導きました。これは80年代中盤の大スター競演のライブエイドの先駆けとして評価できるでしょう。
Johnへの追悼歌、"All Those Years Ago"で自分が常にJohnを慕っていたと語る歌はビルボード2位にまで上るヒットになりました。録音にはPaul McCartneyとRingo Starrが関わったということでも話題になりました。
この後に発表されたアルバムでは"Save the World"という、環境破壊と戦争をを批判する曲を発表し、この曲は環境団体のGreen Peaceが企画したアルバム第一弾に収録されました。(オリジナルとは別バージョン)
しばらくの沈黙の後1987年に"Cloud Nine"というアルバムで復活ののろしを上げました。シングルカットされた"I Got My Mind Set On You"は、カバーソングでしたが、久々にビルボードチャート一位を飾りました。Eric Claptonを引き連れワールド・ツアーも敢行し、日本でも公演しました。映画のサウンドトラックに曲を提供したり、Best of Dark Horseという彼のベスト版に新曲を加えて発表するなど精力的に活動しました。
そのあと、Roy Orbison, Bob Dylan, Jeff Lynne, Tom PettyとTraveling Wilburysとして2枚のアルバムを残しましたが、一枚はグラミー最優秀アルバム賞を受賞しました。